
イタリアの海を旅する|海辺の街と4つの海が育む郷土料理
イタリア人と海|ヴァカンスに見る、海への憧れ
イタリア人の多くは、海が大好き。
海のある街に住む人達はもちろんですが、内陸に住む人々も、気候が良くなってきて、ちょっとのんびりしたい、という時は海に出かけて、海岸沿いでのんびりと過ごすこともしばしば。
夏休み、海へヴァカンスでいくためにそれ以外は仕事を頑張る、という考え方の方によく出会います。
では、彼らが海に行こうと思ったら、どんなところに行くのでしょう。
シチリアやサルデーニャと言った島はもちろんですが、それ以外にもたくさんある中のいくつか“イタリアの海“をご紹介します。
トスカーナの海辺の町|カスティリオンチェッロ・チェチナ・リヴォルノ
カスティリオンチェッロ|「ティレニア海の真珠」と称される町
“ティレニア海の真珠”の通称を持ち、自然たっぷりのカスティリオンチェッロ。
リヴォルノ県にあり、とても穏やかな雰囲気を持っています。フィレンツェから電車で2時間弱、高速もあるので、車だと1時間半程度。
“ティレニア海の真珠”と言われるほどのその美しさは、多くの芸術家、画家、作家、詩人らを魅了し、インスピレーションも与えて来たとか。ヴァカンスを過ごすにも、最適です。
チェチナ|広い砂浜で楽しむ海水浴
フィレンツェから電車で南下し、2時間程度なので、日帰りで多くの人が訪れる海。
平日は穏やかですが、週末は多くの人々で賑わっています。
広々と広がる海岸で、思いっきり海水浴を楽しめる場所です。
リヴォルノ|岩場の海岸と郷土料理「カッチュッコ」
フィレンツェから電車で約1時間半。
砂浜というよりも、岩場が多く、海岸沿いのお散歩にお勧めです。海水浴をする場合には、岩場でも安心な靴を持参すると良いかもしれません。
ちなみにここリヴォルノの名物料理は“カッチュッコ”。タコ、イカ、あさり、などのシーフードをたっぷり使ったスープです。
セカンドハウスを持つイタリア人は多くいるのですが、このセカンドハウスが“海沿い”というのもよく聞くお話で、イタリア人の憧れだったりします。
特にヴァカンスの時期に滞在しますが、その間は特に何をするという目的はなくて、ただ昼間は海にいってのんびりと。
そして、昼食を食べにセカンドハウスへ帰ってくる。午後はテラスで読書をしたり、お茶をしたり…。
そんな生活、とてもステキですよね。
ただ、これはセカンドハウス滞在中ならではの過ごし方で、セカンドハウスが海沿いにあるということは、メインの生活圏は内陸である人達が多いです。
イタリアを囲む4つの海と、海辺の街
では、いつも海と共に生活している人達の生活はどんな感じなのでしょう。
イタリアはご存知の通り、周囲を海で囲まれており、東側がアドリア海、南西側がティレニア海、北西がリグリア海、南東側がイオニア海です。
それぞれの海に面する代表的な都市ではどんな生活、どんな人達、そして、どんな代表的な料理があるのかなどもご紹介します。
ヴェネツィア|アドリア海に開かれた水の都
皆さんもよくご存知の水の都と呼ばれるヴェネツィア。ここはアドリア海に面しています。
海からの玄関口であるサン・マルコ広場は、観光、政治、歴史的な中心として、ここから街が栄えたと言われています。
ヴェネツィアの人々の交通手段は、基本的には徒歩。ヴェネツィアは徒歩10~30分ぐらいの範囲内に色々なものがコンパクトにまとまっています。
もしくはゴンドラが有名ですが、基本的には観光用のため、現地の人達は少し遠いところに行くなら、水上バスであるヴァポレットや水上タクシーのモトスカーフィというものを利用します。
そして、ヴェネツィアは車禁止。車がないので、交通事故もなく、バイクによるひったくりなどの犯罪もありません。
海と共に生きるヴェネツィアでしばしば発生する “アックアアルタ”。高潮による浸水で、冬の時期によく起こります。
ヴェネツィアに住む人は、もちろんこれも慣れっこ。長靴を履いて、いつも通り仕事を続けていたりします。
そして、これを悲観的に考えるのではなく、見れたらラッキーだよ、というぐらいに、観光の一つにしてしまっています。イタリア人らしい発想ですね。
ヴェネツィアの代表的な郷土料理の一つ、干しダラのムース “バッカラマンテカート”。
ヴェネツィアの物は、一般的に食される干しダラよりもさらに寒風にさらして乾かしたもの。これを煮てペースト状にしたのがバッカラマンテカートです。
クリーミ―でふんわり、塩気も少なめで、やさしい味わいです。
ナポリ|ティレニア海を望む陽気な街
Vedi Napoli, e poi muori.
ナポリの景色を見ずに死んでしまっては、生きていた甲斐がない、というナポリ湾の美しさを強調したイタリアのことわざです。それほど美しいと称される都市、ナポリ。
ポンペイ遺跡ができる原因となったベスビオ火山と青いナポリの海とのコラボレーションは絶景です。
ナポリの人達は陽気で、人懐っこく、エネルギッシュと聞いたことがあるかもしれませんが、その通りで、ちょっとお節介なところもあったりするけれど、皆ナポリを愛する温かい人達です。
そして、待ち合わせの時間は遅れてくるということも言われますが、意外と交通面ではせっかち。道路では青信号になったらすぐに発進がナポリの鉄則なのでしょう。それが遅れるとクラクションが響くことも。
ナポリの郷土料理はマルゲリータを代表として、たくさんありますが、Impepata di Cozze(インペパータ・ディ・コッツェ)はお勧めです。
日本ではあまり食卓にムール貝が並ぶことは少ないかもしれませんが、海沿いのナポリでは、家庭料理によく使われ、スーパーなどでも安価に手に入れることが出来ます。その他、タコやイカをふんだんに使う料理が多いのもナポリ流です。
ジェノヴァ|リグリア海が育む港町の食文化
イタリア第一の港街であるジェノヴァ。実は歴史的に、南イタリアやシチリア島、サルデーニャ島、そして他国などと交流があったこともあり、ところどころ南部色、異国色が見られます。
ジェノヴァといえば、イタリア一のバジル生産地。皆さんご存知の通り、ジェノベーゼパスタがとても有名ですよね。
それ以外にはフォカッチャも有名で、街中では色々な種類のフォカッチャを楽しむことができます。
ちなみに、北イタリアではあるものの、南イタリアのように料理にはオイルを多用し、バター、生クリームはあまり使いません。
港町であり商人が多いこともあってか、ジェノヴァの人は、倹約家と言われることもあります。
ジェノヴァの郷土料理は、リグリア海の恵み、新鮮なシーフードを使った料理であることは言うまでもないのですが、特にイワシがたくさんとれるのでイワシを使った料理が多くあります。イワシのフリットやオイル付け、パスタにもイワシが使われます。
ターラント|イオニア海の牡蠣の名産地
今までご紹介してきた街に比べると、あまり聞き馴染が無いところかもしれませんが、海軍の基地があり、商業港でもあるタ―ラント。今でもイタリア経済を支える重要な港湾都市の一つです。
現代的な風景と、さまざまな古い建物や遺跡が共存しているのが何とも言えない魅力です。
ターラントはイタリアの中でも牡蠣の名産地で、牡蠣を使った料理が絶品です。訪れた際には美しいイオニア海からの豊富な海の幸を堪能したいものですね。
いかがでしたでしょうか。
海を愛し、その海からの恵みである食材も、良い所を最大限に引き出して味わう。そして、のんびり癒されたい時も海へ。
イタリア人と海は切っても切り離せない関係ですね。
イタリアの余韻を、食卓へ
イタリアの海は、美しい風景を見せてくれるだけでなく、その土地ごとの食文化を育んできました。リグリアのバジルやイワシ、ヴェネツィアの干しダラ、ナポリのムール貝やタコ——海辺の街の食卓には、それぞれの海がもたらす恵みが映し出されています。
旅するように各地の海を思い描いたあとは、その土地が育んだ味わいから、イタリアの奥行きにふれてみてください。イタリア食材ベリッシモでは、海と大地が育んだ各地の個性豊かな品をご紹介しています。
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