クリスマスマーケット

全然違う?!イタリアのクリスマス文化とは!

イタリア小話~Chiacchiere!/Mail Magazine 25 Dicembre 2019

Buongiorno!
さて、いよいよクリスマスがやってきますね!
街中のイルミネーションや可愛らしいクリスマスグッズには大人になっても心が躍ります。

日本ではイベント的な意味合いが強いクリスマスですが、
カトリック教であるイタリア人にとってクリスマスは一年で最も重要な日。
宗教的な本来のクリスマス文化を大切にし、伝統的な過ごし方をします。

そこで今回は、日本とは全く異なるイタリアのクリスマス文化についてご紹介します!

①少し早め?クリスマスの開始は12月8日から!

イタリアのクリスマス

12月8日は「聖母マリア無原罪のお宿りの日」という祭日で、
イタリアのクリスマス期間はこの日から始まります。

というのも、12月8日に聖母マリアが懐妊、25日にキリストを出産、
そして1月6日に東方三博士が出産のお祝いを持ってきたという言い伝えがあり、
この約1ヶ月の間がまるっとキリスト誕生を祝うクリスマス期間とされているのです。

ちなみにクリスマスマーケットは更に早く始まっていることもあり、
地域によっては11月半ばから可愛らしい屋台の数々を楽しむことが出来ます。

②クリスマスツリーよりプレゼピオ

プレゼピオ

プレゼピオ(Presepio)とはキリストの降誕物語を表したジオラマのことで、
12月8日を皮切りに教会や街中、各家庭など様々な場所で見る事ができます。

プレゼピオには赤ん坊のキリスト、聖母マリア、天使や羊や馬など、
小さなフィギュアが飾られ聖書の物語を再現します。

バリエーションも豊かで、卓上サイズの小さなものから、等身大のもの、
力を入れているご家庭ではなんと部屋をまるごと使ってプレゼピオを作ることも(!)

またプレゼピオには一つ決まり事があり、赤ん坊のキリスト人形は12月25日の0時に飾ります。
24日までは空のかごを置き、誕生日になった瞬間にはじめてキリスト様が飾られプレゼピオが完成されるのです。

③クリスマスは家族で過ごす

鶏肉のグリル

25日は家族が一堂に会し、食事をしたり、大聖堂で行われるミサへ行ったりするのが一般的です。
どのイタリア人も家族との時間を優先するので、この日は市内のお店は殆ど閉まってしまいます。

ちなみに24日は主にお魚料理が食べられ、お肉料理はあまり食べられません。
キリスト降誕の日を前に、体を清めるという信仰的な意味もあるそうです。

④1月6日は魔女がやってくる?!

エピファニア

エピファニア=公現祭といい、キリスト教徒にとって大切なイベントの一つです。
キリスト様の誕生を知った東方の三博士が祝福をしにやって来た日とされています。

またこの日は、ベファーナ(Befana)という魔女がやって来る日でもあります。
ベファーナはぼろきれを纏った魔女の老婆で、夜中に街中を飛び回り、
良い子にはお菓子、悪い子には炭を靴下に入れます。
イタリア版のサンタクロースのようなもので、子供たちはこの日を楽しみに夜を過ごすのです。

そしてこの日で、長かったクリスマス期間が終了します。

クリスマスイルミネーション

伝統文化を今もなお大切にするのは、イタリアらしいですね。

クリスマス期間中のイタリアは輝きに満ちており、まるでおとぎの国のようです。
来年のクリスマス、機会があれば是非とも足を運んでみて下さい。

それでは、Buon Natale!(よいクリスマスを!)