自然が美しい環境にある社屋

Pasta Mancini(パスタ マンチーニ)

自家栽培小麦「パスタマンチーニ」

マルケ州というややマイナーな場所に、イタリアナンバーワンの呼び声高い若き経営者マッシモ・マンチーニのパスタ工房がある。彼が作り出すパスタは、どれも素晴らしい小麦の香りが漂うものだ。そんなパスタはイタリア広しといえども滅多にはない。

アドリア海を見下ろす小高い丘の頂上に立つ本社兼工場の周囲は、すべて小麦畑だ。オーナーのマッシモは、この畑で毎日を過ごす。大学で農業を学び、その後大手のパスタメーカーに就職し、パスタ作りの基礎を学んだ。

見渡す限りの小麦畑

しかし大手のパスタメーカーの味を凌駕するパスタを作りたいと考えたマッシモは独学で小麦の種類を研究しブレンド。完成したのが、例の小麦の香りが漂うパスタだ。ぎゅうっと詰まった太めのパスタは食べ応えも十分。

特に南イタリアでは太めのパスタを使う傾向があるが、彼のパスタ作りはまさしくそこに焦点を合わせてある。ソースがよく絡むブロンズダイスを使って、2日間かけてじっくりと乾燥させる。この手間暇かかる作業が、独特のモチモチな食感を作り出すのだ。

三代目マッシモ氏
こだわった小麦

安いパスタを使い固めのアルデンテに仕上げ、あとはソースの良さで食べさせるレストランが多い中、彼のパスタは真逆を行く。自信たっぷりに食べさせてくれた試食パスタには、一切のソースを使っていない。ではどうするか?

すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノチーズをたっぷりかけ、さらにそこに地元産のエクストラバージン・オリーブオイルをまわしかけただけ。これ、実はイタリアで風邪をひいた坊やが食べるパスタである。

ブロンズ製の整形ドラム
ダイズでパスタを押し出す

いってみれば、おかゆのような素うどんのようなシンプルなパスタで試食をさせる。これには深い訳がある。ソースでごまかされないパスタ本来の味を味わってほしいと願うまさにパスタ作りの職人の考えが詰まっているのだ。

ついついお代わりをしたくなるくらい絶品の試食パスタである。これに美味しいソースを合わせたら、最強この上ないだろう。事実、イタリアで10数軒しかないミシュランの星付きレストランの半数近くが、彼のパスタを採用したのだ。

低温長時間はさがけ乾燥
シンプルなパスタ

パスタの味そのものをも味わえる希少な製品。決して食べ飽きることがなく、しかも一皿をじっくり味わうだけで十分な満足感を覚える。このような絶品パスタの登場により、今後確実にレストランの味は上向くことだろう。

多くの日本のイタリアンレストランだけでなく、家庭においても美味しくレストラン並みの美味しいパスタが食べられる時代に突入したのだ。その先陣を切るのが、パスタマンチーニなである。