解説!カーニヴァルの本当の意味は?

イタリア小話~Chiacchiere!/Mail Magazine 12 Febbraio 2020

ヴェネツィアカーニヴァル

2月のイタリアの一大イベントといえば、皆さんご存知のヴェネツィアカーニヴァル。
世界三大カーニヴァルの一つにも数えられ、
毎年約300万人もの参加者が集まるといわれるイタリア国内でも最大級のイベントです。

日本ではカーニヴァル=単なるお祭りという印象が強いですが、
背景にはカトリック教との根深い関係がある宗教イベントです。

今回はカーニヴァルの本当の意味について解説致します!

カーニヴァルは「謝肉祭」とも呼ばれ、「四旬節」という肉を断つ節制期間の前に盛大に開かれるお祭りです。
肉料理がたくさん振る舞われたり、仮装したパレードや仮面劇などが催されたりします。

十字架とパン

「四旬節」とは復活祭(イースター)の前の節制期間のことで、
この期間中はイエスが荒野で40日間の断食をしたことに倣って、カトリック教徒もまた40日の断食をします。

ただし現代では、断食といっても完全に食事を断つのではなく、
十分な食事を控えてこの期間を過ごす方が多いようです。

また飲食の節制に限らず、慎んだ行動を心がけたり、慈善事業に努めたりもします。

こうして心身を清めたうえで、カトリック教の中でも最重要であるキリストの復活祭を迎えるのです。

お肉

・・・つまり、
本来のカーニヴァルの意味は文字通り、お肉が食べられなくなる節制期間に備えて「肉に感謝する日」なのです。

だんだんと宗教色が薄れてきているものの、翌日からの節制期間を前に、思う存分食べたり飲んだりするという文化は根強く残っていますね。
現代では飲食以外にも、訪れる春を祝ったり、面妖な衣装を着てパレードをしたりと、様々な形でカーニヴァルの文化を楽しむことが出来ます。
これが、日本人が持つカーニヴァル=祭りという印象に繋がっていったのでしょう。

美しい仮装をした人々

ちなみに今年のヴェネツィアカーニヴァルは、2月8日(土)〜2月25日(火)の約2週間。
その年によって開催される日程が変わってきますが、だいたいが2月初旬から始まります。
(というのも、カーニヴァルは「四旬節」前日から遡った1~2週間の間に行われ、
この「四旬節」も満月によって変動する復活祭の開始日に合わせるので、
毎年違った日付に開催されるのです。)

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イタリアのカーニヴァルはヴェネツィア以外の場所でも楽しいイベントが沢山開催されています。
2月に渡航を予定の際は、是非とも現地でその様子を楽しんでみて下さいね!