
ナポリ観光スポット14選|世界遺産・グルメ・日帰りモデルコースも紹介
今年の夏は、どんな風に過ごそうか──。そんなことを考えながら、旅先の景色やご当地グルメを検索するのが、ワクワクする季節のはじまりです。ヨーロッパの中でも、夏の陽射しと海風が心地よいイタリアは、いつだって憧れの旅先。中でも今回は、南イタリアの魅力がぎゅっと詰まった「ナポリ」を、まるで旅しているかのようにご案内します。
ピザの香ばしい香りに誘われ、海沿いの旧市街をそぞろ歩き、世界遺産ポンペイで古代ローマに想いを馳せてみたり…。読んでいるうちに、ナポリの風景が目の前に広がってくるはず。
それでは、バーチャル南イタリア旅行へ、いざ出発!
いざナポリへ!
「ナポリを見てから死ね(Vedi Napoli e poi muori!)」とは、ドイツの文豪・ゲーテの残したことわざ。「ナポリの絶景を見ずに死んでしまっては、生きていた価値がない」と、ナポリの美しさを強調した有名な一言です。発音は「ヴェディ ナポリ エ ポイ ムゥオリ!」。日本からイタリアに向かう飛行機の中で何度も繰り返し、折角なので覚えておきましょう。ナポリの人々たちは、おしゃべりが大好き。たとえイタリア語が分からなくても、街で、お店で、レストランで、よく話しかけてくれます。この街を誇りに思っている彼らに、 会話の中のどこかでこの言葉を出せると、喜んでくれること間違いなしです。
ナポリ市内でまずしたいこと…それはピザの食べ歩き!トマト、モッツァレラ、バジルがのったシンプルなピッツァ・マルゲリータは、ここナポリが発祥の地。赤、白、緑で、イタリア国旗をイメージしているというのは有名な話ですね。シンプルなピザだからこそ際立つ、南イタリアの強い日差しと海風を受けて旨みや甘味がぎゅっと凝縮されたトマトや小麦の味。イタリア人も「ナポリのピザは違う!」と羨むほどです。
腹ごしらえが終わったら、世界遺産に認定されている旧市街「ナポリ歴史地区」を散策しましょう。「卵が割れるときは、ナポリも滅びる」と呪文をかけられた卵城(Castel dell’Ovo)から見るナポリ湾とヴェスヴィオ火山はまるで絵葉書のよう。他にも、ヌオーヴォ城(Castel Nuovo)、王宮(Palazzo Reale)、サン・カルロ劇場(Teatro san Calro)、大聖堂(Duomo)など見どころたくさん。ミラノのアーケードに酷似のガレッリア・ウンベルト1世(Galerria Umberto I)は、とても美しい商店街。観光の合間にショッピングや、カフェやジェラートでの休憩を楽しんでくださいね。元気があれば、ケーブルカーを使ってヴォメロ地区へも足を伸ばしたい。サンテルモ城(Castel Sant’Elmo)の屋上から360度のパノラマで見下ろすナポリの街並みは圧巻。「これぞナポリ!」な絶景が待っています。
ポンペイ遺跡で古代ローマに想いを馳せる
ナポリまで来たのなら、ここへ行かないという選択肢はないでしょう。世界遺産の古代都市遺跡・ポンペイ。ナポリ中央駅からは、電車と徒歩で1時間圏内です。約2000年前、ポンペイを一瞬にして死の街へと変えたヴェスヴィオ火山の大噴火。強い太陽が照りつける真夏の昼下がり、轟くような地響きと共に山が大きく裂け、強烈な爆風と真っ黒な噴煙が立ち上がり、瞬く間に辺り一面漆黒の闇となりました。噴火物は半径12kmもの範囲に降り注ぎ、街も人もそしてその生活も全て丸飲みに。火山灰の下で長い間眠り続けていた街は、18世紀初頭から徐々に発掘され始めると、まるで昨日まで生きていたかのようなそのままの姿で、私たちをその当時へとタイムスリップさせてくれるようです。
ポンペイ遺跡を全て見て回ろうとすると、1日では到底足りません。要所を抑え、効率よく回りたいもの。ポンペイ遺跡の目玉の一つである秘儀荘(La Villa dei misteri)に最も近い入口のマリーナ門(Porta Marina)付近で、オーディオガイドのデバイスが8ユーロほどで貸出されていましたが、残念ながら日本語版はありませんでした。必要であれば、ガイドを依頼しておくか、資料などで予習しておくことをオススメします。ここはどんな建物だったのかを理解しながら進むと、臨場感あふれる当時の生活が、まさにそこにあるかのように浮かんできます。今でいうバールやお惣菜店だったであろう、商人たちが住む小さな家がひしめき合う街、色がついた石でできた壁飾りがそのまま残る広く高貴な家、ワインやオイルを保管していたであろう坪が残る物置…などなど、名物としての名前は付かない普通の暮らしぶりが残る場所に想いを馳せながら見学するのが、私はとても面白かったです。
当然ながら屋根はないので、夏は熱中症にならないように。南イタリアの日差しはとても強いので、サングラスと日焼け止めもお忘れなく。そして雨が降ると石畳の道はかなり滑りやすくなるので、雨具を持参し、長距離を歩ける靴で。売店はかなり離れた場所に2箇所のみなので、飲み物を持参することをオススメします。トイレも限られた場所にしかないので、事前にチェックしておきましょう。
南イタリアの名所へ足を伸ばす
日本からナポリ空港への直行便はなく、ヨーロッパの主要都市での乗り換えが必須。もしくはローマまたはミラノに直行便で入り、そこからイタリアの国内線または電車や高速バスを使うという手もありますね。ローマからは高速特急で1時間強です。イタリアの街は、昔ながらの石畳の道が多いので、キャリーケースをスムーズに運べないというのはよくある失敗談。イタリア国内で、徒歩の移動が多くなる際は、キャリーケース1台に容量いっぱいの荷物を詰めて重くしてしまうのではなく、バックパックにするか小さいキャリーケースと手持ちバックに分散させる…など工夫をお忘れなく。
ナポリは、南イタリア観光の絶好の拠点であり、折角なら他の都市へも足を伸ばしたいところ。青の洞窟で有名なカプリ島、美しさはお墨付きのアマルフィ海岸。少し足を伸ばせば、ガイドブックには載らない隠れたリゾート地のポリニャーノ・アル・マーレ、三角屋根の街並みアルベロベッロ、石の街マテーラなどなど。旅行プランを考えるだけで、ワクワクしてきますね。
Buon Viaggio(ボン ヴィアッジョ:良い旅を)!
文責/アドマーニ

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