クトレラのオリーブ農園

Frantoi Cutrera(フラントイ クトレラ)

長年の経験とこだわり「フラントイ・クトレラ」

逆三角形の形をしたシチリア島は、島と呼ぶには大きすぎる大地だ。その大きさは四国と九州を足して二で割った感じ。西北に位置する州都パレルモは人口1000万を誇る大都市で、二番目に大きい東の町カターニアとの距離は、長距離バスのプルマンに乗って4時間弱もかかる。

フラントイ・クトレーラは交通の便が良いとは言えない南シチリアに位置するオリーブオイル農家かつ搾油所である。その場所は南部の主要都市のひとつラグーサの小高い丘の斜面にある。ここまで、カターニアから南に車で2時間弱といったところ。距離感がつかめるであろうか。

クトレーラの位置する一帯は原産地呼称制度D.O.P.に認定されたオリーブの種類ひとつ「トンダ・イブレア」が主力の地域である。いわば「魚沼産コシヒカリ」のような制度である。フルーティ部門の中でダントツの人気を誇るオリーブだ。本土では味わえない独特のものだ。

クトレラ社
クトレラ社

クトレーラが擁するオリーブ畑も広大なものだが、彼らの周辺にも多くの農家がオリーブを栽培している。ほとんどがこの「トンダ・イブレア」種だ。そこで、代々クトレーラは地域に搾油所を設けこの地域一帯の搾油を担うようになった。巨大な石造りのミルを幾つか収める工場を設置したのだ。

さらに、20年前には巨額を投資して最新鋭の搾油マシンを導入することになった。これにより、彼らの作るオリーブオイルの品質は他と比べて圧倒的な高品質になることに成功したのである。クトレーラの快進撃の始まりであった。

イタリアでは数多くのオリーブオイルの品評会が行われるが、彼らが最も誇りとしたのが「エルコーレ・オリヴァリオ」というコンテスト。イタリア中でもその栄誉に輝くオイルはとても少ない。そのフルーティさを競う部門で、彼らが作るオイルが最優秀賞を受賞したのだ。

それが「PRIMO D.O.P.」である。

青リンゴの香りのオリーブオイル
エキストラバージンオリーブオイルPRIMO

日本にこのオイルが紹介されると、その研ぎ澄まされたフルーティさに感動する人が後を絶たず、現在でもリピート率が高いオリーブオイルのひとつである。

通常よく見かける円筒形の瓶をあえて使わず、オリジナルで黒く四角いガラスボトルに刻印を入れ、おしゃれなボトルを使用している。これはその後に発売された姉妹品の「PRIMO BIO」にも使用されている。EUの有機認定をクリアし、ビオオイルとして人気のオイルだ。

実はPRIMO D.O.P.も農薬は使わずに作られているのだが、あえて両者を区分しラインナップを増やしたようだ。タオルミーナにあるイギリス系の5星ホテルのレストランでは、テーブルオイルとしてこのPRIMO兄弟が置かれている。

トマトソース仕立ての手長海老のリングイーネパスタにほんのすこしかけまわすだけで、こんなにも料理が美味しくなるのか!と驚くような体験をした。また、クトレーラの地元である街のレストランでは豚肉料理が多いが、肉詰めのソーセージ・サルシッチャやトマトのグリーンサラダなどにも、万能に使えるところが嬉しい。このようなオイルを日常的に使える地元の方々が羨ましくなる瞬間だ。

クトレーラの快進撃はとどまることがない。そのすぐ後に発売された「SEGRETO(セグレート:秘密の意味)」はもう一つのこの地を代表する種類「モレスカ」100%で作られる青いトマトのような果実味あふれるオイルだ。

SEGRETOは、その後アメリカで開催されたオスカー受賞記念パーティの料理に使われたことで、一気にアメリカのセレブたちに人気のオリーブオイルとなったのだ。緩やかに曲線を描く独特なボトルに詰められていて、一度見たら忘れられないシェイプ。ボトルのセンスは秀逸だ。

イタリアの純粋な食文化を広げるスローフード運動の結実として世界中で展開されている小売店「EATALY(イータリー)」にもこれらのオリーブオイルがラインナップされ、全面的に扱われているのも、彼らの実力を示すところだろう。

南イタリアの山奥で作られている超高品質のフルーティなオリーブオイル、その作り手クトレーラは家族経営で絆も固い。きっとこれからも、評価を高めていくのは間違いないだろう。

数々の受賞歴

受賞の数々
受賞の数々

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