桜の木

トスカーナおらが村便り|08 Aprile 2020

早いもので4月になり、我が家の桜の木も5分咲きです。イタリアでは移動制限も前回発表よりも更に10日延び、暫定で4月13日までとなりました。家籠りは、さぞかり大変でしょう!?とメッセージをくれる家族や友人、フォロワーさんもいるのですが、パニックや買い占めもなく、食料品などに困ることもなく、家族平和に暮らしています。そして家ごもりの強い味方が、地元農家さんのデリバリーサービス。私は今回の移動制限が出る前から利用していましたが、この農家さん、今年から更にパワーアップして、おらが村の他の農家や、近隣の村のチーズ工房、シチリアの有機オレンジ農家などとも提携して、取扱商品もバリエーションアップ!なので、こんな状況の中でも、とても豊かな食生活が送れているのです。

沢山のデリバリー食材

今回のオーダー品は、こんな感じ~赤ワイン3リットル、小麦粉5キロ、チーズ2種・合計1キロ、サラダ菜2袋、乾燥ひよこ豆1キロ、はちみつ1.5キロ、カントゥッチーニ(トスカーナのハードビスケット)などが段ボールいっぱいに届きました。これで65ユーロ(約8000円)です。この中でも特に我が家に欠かせないのが、この小麦粉。ただの小麦粉でなく、昔ながらの土着種の小麦を自然農法で栽培し、水車の動力とした石臼で挽いたもの。土着品種の小麦は品種改良が行われていない昔ながらの品種なので、栄養価が高く、グルテンの量もかなり少なく(アレルギーの人も食べられるケースが多いそうです)、イタリアでは近年大いに注目されています。土着種なので各地域でいろんな品種がありますが、トスカーナではこの「ヴェルナ」が主流。粉はイタリアでは精製具合で分けられており、全粒粉、2、1、0、00があるのですが、おらが村の農家では2(下記写真左)と0(写真右)を扱っており、私はそれぞれを3~5キロで注文します。

小麦粉5キロ

そんな大量の小麦粉をいったい何に使うの!?と思われるかもしれませんが、イタリアではパンが日本のお米のようなもので、毎日の食卓に欠かせません。我が家ではパンを週に2回ほど焼くことに加え、イタリアでは欠かせないピッツァ、パスタも週1回は手作り。さらに家ごもり中の今は、日本のお惣菜パンや餃子を大量生産しているので、あ~っという間になくなってしまうのですよ。

週末の晩は、我が家では必ずピッツァが登場します。通常のパンと同じ配合で0と2を約半分づつ、酵母は昨年、庭に実った白ブドウで起こした自家製天然酵母。生地を少し多めに作って、長男が大好きなスキアッチャータも焼きました。

スキアッチャータ

日本やイタリアの他地方ではフォカッチャと呼ばれることが多いですが、ここトスカーナでの呼び名は、スキアッチャータ。生地を指で押しながら伸ばしていくので、Schiacciare(スキアッチャーレ)=押す、という動詞から名前がつけられています。庭からローズマリーをつみ、塩とたっぷりのオリーブオイルで仕上げます。

晩のピッツァは、子供たちは飽きもせずサルシッチャ(豚の腸詰ソーセージ)、大人はアンチョビ&ブロッコリー、そして最近の私のお気に入りはこちら、生地をモッツァレッラチーズだけで焼いた後にフレッシュな具をのせたピッツァです。

トマトと生ハム

今晩はトマトと生ハム(これらは市販品)、それに納品してもらったばかりの新鮮なサラダ菜に、羊のお乳のリコッタチーズ。リコッタチーズの市販品は牛乳が多いですが、羊のお乳は栄養価も高く、味が濃厚なんです。もちろん、ここにもたっぷりオリーブオイルをかけて・・・。

こんな風にして、安全で美味しいものをたくさん食べて、免疫力もアップ!田舎暮らしの恩恵を120%フル活用しています。


文・写真/中山久美子
日伊通訳・コーディネイター。2001年にフィレンツェ留学、結婚ののち、2005年よりトスカーナ北部の田舎に在住。トスカーナの小さな村、郷土料理やお祭り、料理教室などのプログラムを紹介するサイト「トスカーナ自由自在」を運営。https://toscanajiyujizai.com/