トゥミニアはギリシャ時代からシチリアで生産されている古代硬質小麦。暑さと乾燥に強い品種で、オッキピンティでは海抜250mの4ヘクタールの畑で肥料なし、灌漑なしで栽培しています。7月に収穫された2500㎏の小麦は布袋で保管され、モディカの伝統ある製粉所で粉ひきされた後、ラグーザのパスタ工房にて昔ながらの銅製の型でパスタに加工。ロングパスタは定番ではありますが、アリアンナの素朴で自然味のある小麦は身体がよろこぶのおいしさです。
【解説】古代小麦とは?その種類とメリット
古代小麦とは?
イタリアにおいて小麦は、パンやパスタ、ピッツァなど日々の食卓に欠かせない食材の原料です。近年その小麦がもつグルテンが原因となり、不耐症やアレルギー、セリアック病などが多くみられるようになったことから、「古代小麦」の再評価が始まりました。しかし古代小麦とはいったいどのようなものなのでしょうか?
古代小麦と呼ばれていても、1900年代半ばまでは普通に栽培され食べられていた品種です。しかし1970年代の高度経済成長期に入ると、古代小麦は下記の理由から敬遠されるようになりました。
- 背が高いため、天候により折れたり倒れたりする
- 粒の色が濃く、大きさ形が不均一
- グルテンの量や性質で加工に時間がかかる
それを解決するために
- 背が低くて天候に左右されにくく、大量栽培が可能
- 粒の色が薄く、大きさ形が均一
- グルテンが多く短時間に工場で大量生産しやすい
そんな小麦を作るために交配して作られたのが、「近代小麦」と呼ばれるものです。
※手軽に本格的なイタリアンを楽しめるレシピをご紹介しています。写真をタップしてご覧ください。
桜エビとミニトマトのスパゲッティ
筍とアスパラのパスタ
La filosofia di Azienda Agricola Arianna Occhipinti
「素材よりもそれを扱う人の行為がものを言う、その行為とは自然をそのまま受け入れることであり、その土壌と多様性をリスペクトすること。私が作りたいワインはただオーガニックというだけではなく、私が生まれ育った大地で生まれた、私そのものを表現するワイン」。生まれ育ったシチリア南部ヴィット―リアに土地を購入し、古き良き農家への回帰を目指すアリアンナ。現代イタリア・ナチュラルワイン界のアイコンは、ワインのほかにもオリーブオイル、小麦、柑橘類、野菜などを多角的に生産する総合農園を目指す「シチリアフードプロジェクト」を推し進めている。