ミラノ大聖堂(ドゥオモ・ディ・ミラノ)の正面外観。無数の尖塔が立ち並ぶ世界最大級のゴシック建築

ミラノ大聖堂(ドゥオモ・ディ・ミラノ)|600年の歴史を刻むミラノの象徴

イタリアは南北に長く、それぞれの地域や街には、その土地ならではの個性と空気感があります。
北部は都会的、南は陽気、中部は落ち着いた雰囲気——私たち日本人がなんとなく抱くイメージと同じように、実はイタリア人の間でも「街ごとのイメージ」がしっかりと存在しているのだそうです。

では、「イタリアの中でいちばんおしゃれで、いちばんモダンな街」と聞いたとき、どこを思い浮かべるでしょうか。
おそらく多くの方が想像される通り、その答えはミラノです。

1.イタリア経済と文化を牽引する街・ミラノ

ミラノ大聖堂近くにあるガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の内部。ガラス天井と高級ブランド店が並ぶミラノを象徴する回廊ミラノ大聖堂近くにあるガッレリア・
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の内部。
ガラス天井と高級ブランド店が並ぶミラノを象徴する回廊

ミラノと聞いて思い浮かぶものは、人それぞれかもしれません。

オペラの殿堂であるスカラ座、
世界的ブランドが軒を連ねるショッピングストリート、
年に2回開催されるミラノ・コレクション、
サッカーでは ACミラン や インテル の本拠地。

さらに、イタリア文化を象徴する習慣「アペリティーボ」発祥の地としても知られ、夕方になると街中のバルが地元のミラネーゼで賑わいます。

世界中から
「ミラノで学びたい」
「ミラノで働きたい」
という人々が集まるのも、決して不思議なことではありません。

数十年前までは、地方から仕事を求めてミラノへ出ることが当たり前だったほど。
今なおミラノが「イタリアの経済的首都」と呼ばれる理由が、街の空気そのものから伝わってきます。

 

2.ミラノの象徴、ミラノ大聖堂(ドゥオモ・ディ・ミラノ)

そんなミラノの中心に、圧倒的な存在感でそびえ立つのが
ドゥオモ・ディ・ミラノです。

ミラノを訪れたことのある方なら、必ずと言っていいほど足を運ぶこの大聖堂。
世界最大級のゴシック建築として知られ、完成までには約600年という、気の遠くなるような年月が費やされました。

この建物は、もともと存在していた2つの教会を取り壊し、ひとつの大聖堂として再構築されたもの。
1386年に着工され、現在の姿になるまで、何世代もの人々の手によって少しずつ形づくられてきたのです。

今なお修復や手入れは続けられており、
ミラノ大聖堂は「完成した建築」であると同時に、「今も生き続けている建築」でもあります。

 

3.ミラノ市民が歌う「オー・ミア・ベラ・マドゥニーナ」

ミラノ大聖堂の最上部に立つ黄金の聖母マリア像マドニーナ。ミラノの街を見守る象徴的存在
ミラノ大聖堂の最上部に立つ黄金の聖母マリア像マドニーナ。
ミラノの街を見守る象徴的存在

ミラノの市民がよく口ずさむ歌があります。

O mia bela Madunina
che te brillet de lontan
tuta d’ora e piscinina
ti te dominet Milan

この歌は、もはやミラノの市歌と言っても過言ではない存在です。
歌われているのは、ミラノの人々にとって特別な意味を持つ“ある存在”。

最初の歌詞を簡単に日本語訳すると、
「マドンニーナ(聖母マリア)、あなたは綺麗で小さくて、黄金に光り輝き、遠くからでもミラノを見守ってくれています」
という意味になります。

この「マドンニーナ」とは、
ミラノ大聖堂の最上部に立つ、聖母マリアの黄金像のこと。

昼は太陽の光を受け、夜は街の灯りに照らされ、
遠くからでも星のようにきらめいて見えるその姿は、
まさに街全体を静かに見守る存在です。

そのためミラノは、
「Città all’ombra della Madonnina(マドンニーナの影の中にある街)」
とも呼ばれています。

 

4. 屋上テラスから眺める、ミラノという都市

ミラノ大聖堂の屋上テラスから眺めたミラノ市街。尖塔と彫像の間から広がる都市の景色ミラノ大聖堂の屋上テラスから眺めたミラノ市街。
尖塔と彫像の間から広がる都市の景色

ミラノ大聖堂を訪れたら、ぜひ足を運んでほしい場所があります。
それが大聖堂の屋上です。

世界でも珍しい「教会の屋上を歩ける場所」であり、
ここからはミラノの街を一望することができます。

マドンニーナを間近に眺めながら、無数の尖塔や彫像の間を歩く体験は、
他のどの都市でも味わえないもの。

彫像の多くはキリスト教に関係する人物ですが、
中には動物や歴史的人物、さらにはニューヨークの自由の女神によく似た像まであり、
探しながら歩くのも密かな楽しみのひとつです。

 

5.なぜミラノ大聖堂は、これほど特別なのか

ミラノ大聖堂とドゥオモ広場を上空から望む景色。街の中心に位置するミラノの象徴的風景ミラノ大聖堂とドゥオモ広場を上空から望む景色。
街の中心に位置するミラノの象徴的風景

イタリアのほとんどの街には、その街を代表するドゥオモがあります。
それでもミラノのドゥオモが特別視される理由は、はっきりしています。

ひとつは、ミラノという都市そのものの象徴であること。
「ミラノ」と聞いて大聖堂を思い浮かべる人が多いのは、そのためです。

そしてもうひとつは、圧倒的な建築美。
世界遺産に登録されていないのが不思議に思えるほどの存在感は、
イタリア人にとっても誇りであり続けています。

さらに、ミラノ大聖堂と切っても切り離せない存在があります。
それが、隣接する
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。

この二つが並び立つ風景こそ、ミラノを象徴する景色なのです。

 

6.ミラノ大聖堂で感じる「イタリアの今」

夕焼けに染まるミラノの街並みを上空から望む景色。歴史的建築と近代的都市が広がるミラノの全景
夕焼けに染まるミラノの街並みを上空から望む景色。
歴史的建築と近代的都市が広がるミラノの全景

歴史と革新、信仰と経済、伝統とモダン。
相反するものが自然に共存する街、ミラノ。

ミラノ大聖堂は、単なる観光名所ではなく、
イタリアが歩んできた時間と、今この瞬間を映し出す存在です。

何度訪れても新しい発見があり、
初めて訪れる人には強い印象を残す場所。

ミラノを通して「イタリアの今」を感じたいとき、
この大聖堂は、きっと最初に立ち寄るべき場所になるでしょう。

 

7.ミラノの時間を、食卓へ

夕暮れ時のナヴィリオ運河沿いに広がるミラノの街並み。バルやレストランが立ち並び、アペリティーボで賑わうミラノの日常風景夕暮れ時のナヴィリオ運河沿いに広がるミラノの街並み。
バルやレストランが立ち並び、アペリティーボで賑わうミラノの日常風景

ミラノ大聖堂を見上げながら感じる、
歴史とモダンが同時に息づくあの空気。

そんなミラノの日常は、決して特別な場所だけにあるものではありません。
アペリティーボの時間、家族で囲む食卓、素材の味を大切にする暮らし——
その延長線上にあるのが、イタリアの食文化です。

イタリア食材ベリッシモでは、
こうした土地の背景や文化を大切にしながら、
現地で親しまれてきた食材を一つひとつ選んでご紹介しています。

旅の記憶を、もう一度。
ミラノで感じた時間を、次はご自宅の食卓で味わってみませんか。