モンタルチーノのワイン農園、フォンテレンツァ。
その歩みは、オリーブの木から始まりました
トスカーナ州モンタルチーノで、ブルネッロをはじめとするワインを手がけるフォンテレンツァ。双子の姉妹、マルゲリータとフランチェスカが営むこの農園の出発点は、ブドウではなくオリーブでした。「シルヴェリオ」は、姉妹が守り続けてきたオリーブ園から生まれるエクストラバージンオリーブオイル。その名前は、園の木々の多くを植えた人物に由来しています。
輸入元によれば、前回の入荷はおよそ5年前。そのときは3リットルのバッグインボックスがわずかに届いたのみでした。今回は2025年に収穫されたオリーブのオイルが、500mlの瓶で届いています。
味わいと特徴
器に注ぐと、きれいな黄金色。熟した果実を思わせるまろやかな香りに、摘みたてのハーブやアーティチョークの青いニュアンスが重なります。口あたりはなめらかで、飲み込んだあとにピリッとした辛みがじわりと広がる。この「あとから来る辛み」が、トスカーナのオリーブオイルらしさです。
使われているのは、フラントイオ、モライオーロ、レッチーノ、コレッジョーロ、オリオーロ、オリヴァストラ。いずれもこの地域で昔から育てられてきた品種です。品種ごとに異なる香りや苦み、辛みが重なり合い、奥行きのある味わいをつくっています。
ろ過をせずに瓶詰めした、無濾過のオイルです。搾ったままの風味を、そのまま味わえます。
木を植えた人の名を冠したオイル
トスカーナ州南部、マレンマ地方の最奥部にあたるチニジャーノ。アミアータ山のふもとに広がるこの田園地帯では、昔からオリーブの木がブドウ畑と並んで育てられてきました。フォンテレンツァの歴史は、この地のポッジョ サッソにあるオリーブ園から始まります。
約6ヘクタールに広がるオリーブ園には、800本の木。その多くを植えたのが、シルヴェリオ・スパンパニ氏です。オイルの名前「シルヴェリオ」は、この人物にちなんでいます。木々は丘を囲む3つの区画に分かれ、長い年月を重ねた木が中心。1998年には姉妹自身も、丘の東側の斜面に新しく苗木を植えました。
海を望む丘で、色づききる前に摘む
ポッジョ サッソの気候を左右しているのは、ティレニア海です。オリーブ園のいちばん高いところからは、海が見えるといいます。夏は雨の少ない乾いた日が長く続き、よく吹く風が丘をからりと乾かして、オリーブにとって健やかな環境を保っています。土は区画ごとに異なり、細かな砂や小石が多く混じります。
収穫は例年、10月の上旬。実が緑から紫へと色づききる前に摘み取り、その日のうちに搾ります。
数年ぶりに実りを取り戻した、2025年の収穫
チニジャーノのオリーブ園は、数年前に火災の被害を受けました。それから木々の回復に向けた手入れを続け、2025年、ようやく本来の収穫量を取り戻したと生産者は伝えています。この年の収穫は実りも豊かで、作業も手早く進み、摘みたての新鮮な実だけを搾ることができたそうです。
おすすめの使い方
焼いたパンに、たっぷりと
トスカーナでは、にんにくをこすりつけたトーストに新しいオイルをたっぷりかけて味わいます。これが「フェットゥンタ」。塩をひとつまみ振れば、香りと辛みの輪郭がはっきりします。まずはこの食べ方で。
豆料理やスープの仕上げに
白いんげん豆の煮込みや、野菜と豆のスープ、リボッリータに。温かいうちにひとまわしすると、香りがふわりと立ちのぼります。
焼いた肉や野菜に
網で焼いた牛肉やグリル野菜に、塩とこのオイルだけで。ピリッとした辛みが、脂の甘みを引き締めます。
和の食卓にも
冷奴や焼き魚、ゆでた青菜に。醤油や塩とも合わせやすく、仕上げのひとたらしで印象が変わります。加熱するより、料理の仕上げにかける使い方をおすすめします。
双子の姉妹が営む、モンタルチーノの農園
フォンテレンツァは、モンタルチーノから南西へ約10km、サンタンジェロ イン コッレにある農園です。ミラノで育った双子の姉妹、マルゲリータとフランチェスカ・パドヴァーニにとって、ここはもともと両親が1975年に購入した別荘でした。夏休みを過ごしたこの場所で、姉妹は自然を知り、モンタルチーノの田園との絆を育んでいきます。
1997年、21歳のマルゲリータはミラノでの生活を離れ、この地で農業を始める決意をします。最初に取り組んだのが、オリーブの栽培とオイルづくりでした。1999年にはブドウを植えてワイナリーとしての歩みを始め、そこにフランチェスカも加わります。かつての別荘は今、姉妹の住まいであり、農園の拠点であり、ワインの名前にもなりました。現在はブルネッロ ディ モンタルチーノをはじめ、ロッソ ディ モンタルチーノ、ロゼや白ワインまでを手がけています。
親交の深いレ ボンチエのジョヴァンナ・モルガンティや、マッサ ヴェッキアのファブリーツィオ・ニコライーニから強い影響を受け、人間の都合を優先するのではなく、自然に敬意を払った農業を実践しています。自然のリズムに沿って、環境に目を配り続けること。その姿勢は、子どもの頃にこの地で過ごした時間から生まれたのかもしれない、と姉妹は語っています。
ワインよりも先に、姉妹がこの土地で育ててきたオリーブ。数年ぶりに実りを取り戻した2025年のオイルを、まずは焼いたパンにたっぷりかけて味わってみてください。
よくあるご質問
瓶の底ににごりや沈殿物がありますが、大丈夫ですか?
品質に問題はありません。ろ過をしていない無濾過のオイルのため、オリーブの果肉の細かな粒子などが澱(おり)として沈むことがあります。開封後は、なるべく早めにお使いください。
加熱調理に使えますか?
お使いいただけますが、このオイルの持ち味である香りは熱で失われます。炒めものや揚げものには手頃なオリーブオイルを使い、こちらはパンやスープ、焼き上がった料理の仕上げにかける使い方をおすすめします。
冷蔵庫に入れたら白く濁って固まりました。大丈夫ですか?
品質に問題はありません。オリーブオイルは低温になると成分が結晶化し、白く濁ったり固まったりします。常温に戻せば元通りになります。保管は冷蔵庫ではなく、直射日光の当たらない涼しい場所をおすすめします。
開封後はどのくらいで使い切ればよいですか?
開封すると空気に触れて酸化が進みます。栓をしっかり閉め、直射日光と高温を避けて保管のうえ、なるべく早めにお使いください。
商品名の「2025」は何を表していますか?
オリーブを収穫した年です。オリーブオイルは農産物のため、その年の天候によって香りや辛みの強さが変わります。このオイルは、火災の被害から回復したオリーブ園で、2025年の秋に収穫された実から搾られています。