イタリア 2007年(夏)買い付け旅行記14 イタリア食材専門通販ショップ ベリッシモ
Business Diary

イタリア買付け旅行記(2007年夏 6月3日〜6月12日 8泊10日の旅)

6月9日(土) ラニーゼ社再訪
 昼過ぎ、ジェノヴァからサヴォナ方面に向かいました。
 サヴォナとは、ジェノヴァから各停で1時間ばかり西の都市で、
 ジェノヴァからずっと続く海沿いにある町です。

 そのサヴォナから、さらに1時間ほど西に進むと、
 目的地のインペリアがあります。快速に乗れれば、ジェノヴァから
 1時間半。ユーロスターは走ってません。
 音楽祭で有名なサンレモや、南仏の高級リゾート地ニースとは
 もう目と鼻の先で、いわば、ほとんど同じ気候・土地柄といって
 いいでしょう。

 インペリアは、リグーリア地方を代表するオリーヴ「タジャスカ」
 の主要産地で、繊細でとても上品なオリーヴオイルを多く
 産出しています。

 ベリッシモの取引先であるRANISE社は、
 D.O.P.となるタジャスカ・オリーヴ農園を所有しており、
 オリーブオイルを作っています。そのオリーブオイルと
 現地で採れる、これも繊細で香りがあまり強くない小ぶりな
 バジリコの葉を使って、ペーストを作るのです。

 なぜ、あのような美味しいペーストが出来るのか?
 その謎に迫ってみました。


 インペリアの駅に、予定よりも少々遅れて到着すると、
 RANISE社のオーナー兄弟の弟・ロベルトと奥さんが迎えに
 来てくれていました。早速クルマに乗り込み、工場へGO!

 駅から郊外へ20分ほどで、目指す工場に到着しました。
 途中、道路の両脇はオリーブ畑で覆われていて、
 シチリアとかとはまた異なる細長いオリーブの木がたくさん
 植えられていました。

 工場は山を登った高台にありました。
 隣りには、バジリコの畑が広がっています。

 温暖なリグーリア地方も、冬は厳しい寒さに見舞われます。
 しかし、バジリコの葉は、ビニールハウス栽培で
 年中、取れるため安定した供給ができるのだそうです。
 冬は収穫まで時間がかかり、夏は早いそうです。

 早速、そのビニールハウスに入ってみました。

 背の低いバジリコがびっしりと植えられて育っています。
 収穫されるのは、50センチほどに育った上のほうだけ。
 地面から20cmまでの部分は残して上のほうだけ収穫します。
 専用のバジリコ刈り取り機も見せてもらいました。

 小ぶりなバジリコの葉を大量に使って、
 バジリコのペーストは作られます。

 通常、バジルペーストは、バジリコの葉、オリーブオイル、
 チーズ(パルミジャーノまたはペコリーノ)、松の実、ニンニクを
 ほどよく混ぜ合わせて作られます。
 できればモルタイオ(乳鉢)を使うと、さらに美味しくなります。

 RANISE社のバジル・ペーストは、ことのほかフレッシュ感があり、
 濃厚なチーズの味がたっぷりと混ざっていて美味しいのです。
 その理由を、ロベルトに尋ねてみました。


 彼曰く、


 「バジリコの葉は、99%が水分なんだ。
 こいつが実はクセモノで、長く保存が利かない理由になる。
 長い期間、フレッシュ感を保つには、この水分を上手に
 飛ばして、なるべくペーストに水分を入れないのが肝要なんだよ」


 なるほど、御意!!


 確かに理にかなってます。
 水分が多いと、どうしても悪くなりやすい。それに水っぽい。
 鮮度も落ちる。いいことナシです。
 巷のバジル・ペーストであまり美味しいものがない理由は、
 コレだったのかもしれません。


 さらに、RANISEのバジル・ペーストは、チーズにもこだわります。
 通常はパルミジャーノを使うところを、グラナ・パダーノを
 使っているのです。もちろんペコリーノチーズもです。

 パルミジャーノ・レッジャーノに比べると柔らかくてコクがある
 グラナ・パダーノは私も大好きなチーズの一つ。
 それに加えて、カシューナッツを混ぜてさらに独特な味に
 仕立てています。


 工場見学を終えて、一軒のカフェに寄りました。
 この地方独特のカフェ、それはCafe' con panna.
 砂糖を溶かしたエスプレッソに、生クリームを乗せてあります。
 コレがまた、抜群に美味い生クリーム!!!

 美味しくないワケがありませんっっっ。
 ちょうど、ウインナ・コーヒーのエスプレッソ版というところだけど、
 いっぺんに、ワタシも虜になってしまいました。
 帰ったら、自分で作ろうっと。

 訪問を終えて、再び夫妻に駅まで送ってもらいました。
 車中で彼に、レシピを教わりました。
 この濃厚なバジル・ペーストをどうやったら美味しく料理に
 使えるのか? それは以下のようなものでした。

 1.生または焼いたホタテ貝、グリルした肉や魚に添えて食べる
 2.パスタに和える。その場合、一人前で大匙2杯程度にとどめ、
   パルミジャーノをすりおろして塩気を足すのがポイント。
   追加でオリーブオイルを回しかけるのも忘れずに。
 3.ピッツァ・マルゲリータなどトマトソースを使ったピッツァの上に
   振りかけて食す。意外とトマトソースにぴったんこ。


 ドイツ人は塩辛いものが好きなのか、パスタに和えるときに
 一瓶まるごと使ってしまうのだとか。それは、使いすぎ。
 デリケートな味が好きなリグーリア人は、決してそんなにたくさん
 ペーストを使いません。肝に銘じましょう。



 (ベリッシモ店長・清水)
↑ジェノヴァ・プリンチペッサ駅
↑時刻表
↑サヴォナ行きは、地下のホームから出発しました。ローカル線です
↑山あいのバジル工房↓
↑バジリコのビニールハウス
↑バジリコ刈り取り機!
↑小ぶりなリグーリアのバジリコ。繊細で独特な風味があります↓
↑工房で使われる乾燥機とマシン↓
↑うまいっ!カフェ・コン・パンナ!

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