イタリア 2006年買い付け旅行記7 イタリア食材専門通販ショップ ベリッシモ
Business Diary

イタリア買付け旅行記(2006年初夏 6月4日〜6月22日 16泊18日の旅)

6月9日(金) ファットリア・アルトメーナ
 ホテルを朝7時にチェックアウトして、フィレンツェに向かいました。
 フィレンツェ中央駅構内にあるファルマチーア(薬局)前で
 11時半のアポイント。でっかい緑の看板が目印です。
 ジェノヴァからフィレンツェ、電車に乗って4時間余りの距離。
 (意外と遠いのね!)

 朝食はパスして、スーツケースを引きずって駅まで歩きます。
 ジェノヴァからフィレンツェに行くには途中、
 ピサで一度乗り換えが必要です。
 予約した電車を逃すと、数時間遅れになってしまうかも!
 だから、指定列車に乗り遅れる事だけは避けたいのでした。

 イタリア人は夜遅くまで騒いでいる割に、
 一般的に、みんな朝早くから活動を開始します。
 睡眠時間が少なくても、まったく平気みたい。
 すでに朝のブリニョーレ駅は通勤ラッシュが始まっていました。

 駅の構内で簡単な朝食を済まそうとチェックしてみると・・・
 通勤客が大勢詰めかけていて、バリスタもてんてこまい!
 会計を先に済ませてレシートを持ったらカウンターに陣取り
 バリスタに声を掛けました。「ウン・カプッチーノ、グラッツィエ!」


 電車は、よくあることで定刻を15分ほど遅れて到着です。
 おっと、この分だと約束の時間には少し遅れてしまいそうだけど、
 こんなとき、イタリア社会特有のルーズさがモノをいいます。
 多少遅れてもあわてない、あわてない!

 このところ人気を集めている世界遺産「チンクエ・テッレ」を通過。
 車窓からは美しい海岸線と点在する村がチラリ、見えました。
 ピサを過ぎれば、海岸線は見えなくなりました。
 いよいよフィレンツェに到着です!


 予想したとおり、約15分遅れでアポイント場所に到着。
 待っていたのは、サングラスをかけたスーツ姿の若い男性でした。
 お互い初対面だけれど、雰囲気でスグにわかります。
 あちらもキョロキョロ誰かを探しているからね!

 彼の名はアレッサンドロ。
 ベリッシモが契約している現地運送会社の社員です。
 英語がとても流暢な彼。

 今回の旅の直前、ベリッシモはイタリア中の取引先に
 商品の追加オーダーをかけました。
 いろんなメーカーから品物を集めるので時間がかかるけど
 まとめてコンテナで運ぶ分、バラバラに運ぶよりも、
 運賃コストが安くなるというメリットがあります。
 (バイヤーズ・コンソリデーションといいます)

 運送業者はベリッシモのイタリア倉庫も兼ねているので、
 一度、倉庫や事務所を見学して現地状況を把握しておきたい。
 そこで日本からアポイントを入れておいてもらったのです。

 フィレンツェ・サンタマリア・ノヴェッラ駅からクルマで20分ほどの
 倉庫地帯に、目指す倉庫がありました。
 日本でも同様だけれど、たいていこのような大規模な倉庫は
 だだっ広い郊外にあるのね。コンテナ運搬車がひっきりなしに
 出入りするから、道幅も広く建物も大きい。

 ひとしきり見学を終えて、担当者と握手し別れると、
 今度は、別の人とのアポイントが待っています。


 昼過ぎ、予約しておいてもらった駅前のホテルに
 チェックイン!このホテルを予約してくれたのが、
 次のアポイントの主・フィレンツェ在住日本人ジャーナリストの
 Sさんでした。

 彼女はもともとベリッシモの顧客でした。
 数年前に東京からフィレンツェに移住して、仕事をしています。
 今回の旅行前にメールをいただき、
 フィレンツェのホテルを予約しておいていただく代わりに、
 一緒にベリッシモの取引先メーカー見学に行く約束をしていました。


 合流して早速、ホテルから歩いて数分のところにある、
 メルカート・チェントラーレにGO!
 ベリッシモの取引先CONTIの店頭は相変わらず
 大勢のお客様を迎えててんてこ舞いです。

 残念ながら(?)メルカートのある地域一体は現在、
 移動式お土産屋さんによって道路が終日、埋め尽くされています。
 駅の周辺ということもあって、露天商の国籍もさまざま。

 もともとは、こうではなかったのだろうけれど、
 観光客がひっきりなしに訪れる場所だからこそ、
 自然にこのようなモノ売りが集まったのでしょうね〜。

 周囲の喧騒の中でも、相変わらず主人ステファノと
 ファミリーは、以前と変わらず、それどころか
 隣りにもお店を広げて繁盛していました。

 彼らの店頭には、目利きによって選ばれた美味食材が
 本当に満載。価格は多少高いけれど、モノは間違いありません。
 それに、いつ訪れても新しく入荷したものが紹介されていて、
 お客様を飽きさせないのです。

 取引を始めた5年前、当時ベリッシモをスタートさせたばかりで
 初めて彼らのお店を見た私は、エキサイティングな品揃えに
 興奮を覚えたものです。「これだ!こいういう店がやりたい!」

 代表的な製品「ミックス・スパイス」を始めとして
 純粋トスカーナ産の高級オリーブオイルや、
 オリーブでできたキッチン雑貨など、
 今ではベリッシモのメルカート商品の中心的存在となっています。

 ベリッシモのサイトを見て実際にフィレンツェのCONTIで
 買い物する日本人の方も増えて、この店ではワタシもすっかり
 有名人(?)


 市場が閉まる2時過ぎになると、みんなでステファノのクルマ
 ローヴァー・ディフェンダーに乗り込みました。
 本日の目的地は、オリーブオイル・メーカー「アルトメーナ」。
 ベリッシモがトスカーナ産として強力にお勧めしている
 EXVオリーブオイルです。

 有機栽培で作られ、味わいは若草の香りでスパイシー!
 温かい料理の最後の仕上げに、またはそのままパンに塗って
 食べると、その美味しさがよくわかる逸品です。

 CONTIのステファノは、ベリッシモよりも前から
 このオリーブオイルの存在を知っていて、
 その美味しさに感動して店頭で販売を開始。そして今では
 フィレンツェ地方の販売権を一手に引き受けて、
 彼らを積極的に支援をしています。

 アルトメーナの敷地内には、今では使われていないお城があり、
 広大なブドウ畑と9000本のオリーヴ畑は貴族の持ち物でした。
 それを、10年前に現在のオーナーが買い取り、
 今では良質のワインとオリーブオイルを産出する工場に
 なったのです。敷地内をクルマで回るには30分かかります。

 大きな丘陵まるごと一つの敷地の外側には、
 右も左も、同じようにオリーブ畑とブドウ畑で埋め尽くされた丘陵。
 これぞ、いかにもトスカーナの丘陵地帯!というような
 まるで絵に描いたような風景が広がっています。

 ステファノ「隣りの丘はフレスコバルディのものだよ。」

 えっ?あのフレスコバルディ?ラウデミオ・オリーブオイルの?
 見たことありませんか?ハダカの人間が走っている絵が
 外箱に描かれたオリーブオイル。
 それが、フレスコバルディ伯爵家のオリーブオイル
 「ラウデミオ」なんですよ。

 正確に言うと、ラウデミオとはオリーブオイル協会の一つ。
 フレスコバルディはその会員企業ということなんですけど、
 日本では「ラウデミオ」が商品名のようになってしまって
 いるような感じです。

 ここで、工場の主人「ニコ」の手ほどきを受けながら、
 オリーブオイルのテイスティング講習会が始まりました。


 ニコ「いいかい。オリーブオイルのテイスティングは普通、
 小さなグラスに注いで行われるんだ。今日は違うけどね。」

 ニコ「まず少量を注いだら、蓋をして手で暖めるのさ。そうしないと
 オリーブオイルが持っている香りのファーストインプレッションが
 感じられないからね。」

 全員にカップが配られ、オリーブオイルが注がれました。
 1-2分、全員、大切にカップを両手で暖めます。

 ニコ「温まってきたら、蓋を開けてスグに鼻を突っ込む。その瞬間、
 緑のアーティチョークの香りがするはずさ。トマトの香りがしたら、
 それはトスカーナ産じゃないよ。」

 言われたとおりにしてみると、確かにアーティチョークの香りが
 ふわあっと広がってきます。強い香り。しかし一瞬だけなので、
 まさに蓋を開けた瞬間が、香りを感じるチャンスなのです!

 ニコ「香りを判別したら、次は舌全体で味わうんだ。
 人間の舌は、部位によって苦味や甘みなど感じるところが違う。
 口に含んだらスグに飲み込まず、口を横に薄く広げながら
 オイルを舌全体に行き渡るようにズズズっと、すするんだよ。」

 舌先=甘みと塩味
 舌の縁(両サイド)=酸味・旨み
 舌根=苦味

 ニコ「(いー!という口をしつつ)ズズっ。ズズっ。」
 全員「(真似して)ズズーッ。ズズーッ。」

 言われたとおりにやってみると、確かにオイルの持っている
 味には、実はさまざまな要素が隠れている事がわかります。
 感じられる苦味や甘さが、どんな素材に合うだろうか・・・
 想像をめぐらしながらテイスティングしてみると、
 オリーブオイルの楽しみ方ががぜん、広がるようです!

 このように「舌で満遍なく味わう」という作業をせずに
 いきなりオイルをぐいっと飲み込んでしまうとどうなるか・・・?

 「辛さを感じるだけ」です。

 トスカーナ産オリーブオイルの特徴の一つが、
 最後に感じるピリっとした辛さ。
 トスカーナ人は昔から、辛いものが大好きなのです。


 オリーブオイルの作り手からこのような講習を受けて、
 これまで自分がやっていたテイスティング方法を見直さねば、
 と真剣に思うようになりました。

 このあと、いろいろなメーカーでオリーブオイルを
 テイスティングしましたが、必ず上記の方法で
 試してみた事はいうまでもありません。


 (ベリッシモ店長・清水)
↑ジェノヴァからフィレンツェに向かう途中の海岸線にある世界遺産「チンクエテッレ」の一つモンテロッソを通過。
↑ベリッシモのフィレンツェ倉庫にて、到着貨物の確認をしました↓
↑なんと180年前に仕込まれた、ウルトラ・アンティックなワインが無造作に社長室に転がってました↓
↑100年以上前に書かれたオリーブ栽培の古文書が
↑数々の賞に輝くアルトメーナのワインとオリーブオイルたち
↑オーナーのニコ(左)と、CONTIの主人ステファノ@仕事帰りモード
↑300年前の家具や地図が飾られていた社長室で↓
↑ALTOMENAオリーブオイルは「ウィリアムズ・ソノマ」のプライベートブランドのオリーブオイルとしても販売されます
↑オイル・テイスティングの模様です
↑数年前のG8国際会議のディナーにも採用されたフルボディワインです。
↑むっちゃ美味しいSPALLA(肩肉のハム)をツマミに、ワインも進みます
↑どこまでもなだらかに続く、トスカーナの丘陵地帯。このまま1週間くらい、滞在したくなりました!

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