「チャオ・イタリア」1 イタリア食材専門通販ショップ ベリッシモ
「チャオ・イタリア」3-4月号掲載記事(ベリッシモ)
「CIAO ITALIA チャオ・イタリア 03/04月号  2003年3月1日発行
発行所:エーシーイーデジタル株式会社 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-14-24 西新宿KFビル710
-以下本文-
 
 フランスで「セップ」、日本で「ヤマドリダケ」と呼ばれるポルチーニ茸は
 「イタリアの松茸」と賞賛される、極上のキノコだ。
 私がその存在を知ったのは、ボローニャのメルカートにある
 小さな八百屋だった。

 今から7年前。

 イタリア製の靴とハンドバッグを販売する店を任されていた私は、
 半年分の商品仕入れのためにイタリアに派遣された。
 町中の食料品店で見かける色とりどりの野菜や新鮮なチーズ、
 肉類はどれも輝いて見えた。


 お土産は決まって食料品だった。きっかけは「ポルチーニ茸」だった。
 同行した日本人デザイナーが、毎回決まって大量に買っていたからである。
 「メルカートで買う”量り売り”の乾燥ポルチーニがすっごく美味しいのよ!」
 と言って、私に少し分けてくれた。

 ビニール袋に入れてくれたのだが、香りがとにかく強い。
 袋を二重にしてスーツケースに仕舞い込んだが、
 日本に帰ってかばんを開けると、むせ返るほど強烈な香りであった。


 早速、教えられたとおりにお湯で戻してみる。
 5、6分も漬けていると、戻し汁が「濃い褐色」に変わってゆく。
 ベーコンをガーリックオイルでカリカリに炒めたところに、実と汁を投入。
 塩、胡椒で味付けし、アルデンテに茹でたスパゲティを和える。
 作り方はたったそれだけだった。

 出来上がった料理を口に運んでみた。



 「うまいっっっ!」



 まるで、レストランで出されるような出来栄えだった。
 本当は、さらに仕上げとして生クリームをたっぷり混ぜると
 もっと美味しいらしい。
 しかし、当時の自分にはもう十分満足だった。

 日本のキノコにはない独特の芳香。
 素晴らしい「ダシ」が出ていた。


 この体験がきっかけとなって、
 その後、私はイタリア食材を探して輸入販売する会社を起したのである。
 あのポルチーニ茸との出会いがなかったら、
 きっとまだ靴屋の店長をしていたに違いない。有難う「ポルチーニ茸」。
 キミは私の人生までも変えてしまったのだ。

 (ベリッシモ・オーナー 清水良二)
 
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